FreeSurfer 7.3.2が公開されました。色々新しい機能が実装されています。
macOSへのインストールはデモ動画が示されていますが、コマンドラインで一気にインストールしたいと思いました。
インストールスクリプトを作成しましたので、公開します。
スクリプトの内容はこちらから確認できます。実際の方法は下に記載してありますので、そちらに従ってください。
インストールの前に2つだけ作業が必要です。
- シェルをbashに変更 (Catalina以降)
catalina以降ではデフォルトシェルがzshになっていますが、freesurferのスクリプトはcシェルもしくはbashを念頭に書かれているので、bashに変更します。
以下をタイプして、ターミナルを一度終了してもう一度起動します。
chsh -s /bin/bash
- license.txt の入手
Registrationのページに必要事項を記載すると、メールで license.txt が添付されて送られてくるので、それをダウンロードの下に保存します。 - スクリプトの実行
fs_setup_7.3.2_mac.shを右クリックして保存します。ダウンロードに保存されたと仮定します。
ターミナルから以下のようにして実行します。
cd Downloads chmod 755 fs_setup_7.3.2_mac.sh ./fs_setup_7.3.2_mac.sh
以下の画面が表示されます。
Begin installation of FreeSurfer This script will download and install Freesurfer on macOS You need to prepare license.txt beforehand. license.txt should be placed in /Users/kiyotaka/Downloads Are you sure you want to begin the installation of FreeSurfer? (yes/no)
進める場合には、yes とタイプします。
こうすると、以下の事項が行われます。
- Homebrewのセットアップもしくはアップデート
- Xquartzのインストール
- FreeSurfer 7.3.2のダウンロード
- ダウンロードファイルが壊れていないかの確認
- FreeSurfer 7.3.2のインストール
- $HOME/freesurfer/subjects の準備
- Freeviewのテスト
なお、FreeSurfer6を残しておきたい方々もいると思いますので、このスクリプトでは、7.3.2のインストール先を/Applicationsではなく、/usr/localにしています。FSLも /usr/local にしているので、特に問題はないかと思います。macの方でアプリケーションは必ず /Applications じゃなければ嫌という方は、FS6とFS7の併存のためにパスを工夫する必要があります。
これが終わると以下の表示がされます。
Installation finished! Now close this terminal, open another terminal, then run freeview.
指示の通り、ターミナルを一度、閉じ、改めてターミナルを起動します。
新たに以下のような表示がターミナルの上部になされるはずです。
-------- freesurfer-darwin-macOS-7.3.2-20220804-6354275 -------- Setting up environment for FreeSurfer/FS-FAST (and FSL) FREESURFER_HOME /usr/local/freesurfer/7.3.2 FSFAST_HOME /usr/local/freesurfer/7.3.2/fsfast FSF_OUTPUT_FORMAT nii.gz SUBJECTS_DIR /Users/kiyotaka/freesurfer/7.3.2/subjects MNI_DIR /usr/local/freesurfer/7.3.2/mni FSL_DIR /usr/local/fsl
最後に、Freeviewを確認しましょう。
以下の確認は、本家のサイトにある指示をそのままやっているだけですが、念の為に記載しておきます。
- freeview
端末に、以下をそのままコピペしてください。
cd $SUBJECTS_DIR freeview -v \ bert/mri/T1.mgz \ bert/mri/wm.mgz \ bert/mri/brainmask.mgz \ bert/mri/aseg.mgz:colormap=lut:opacity=0.2 \ -f \ bert/surf/lh.white:edgecolor=blue \ bert/surf/lh.pial:edgecolor=red \ bert/surf/rh.white:edgecolor=blue \ bert/surf/rh.pial:edgecolor=red
きちんとインストールされているならば、下記のような画面が出てくるはずです。
今、ホームディレクトリの下にあるfreesurfer/subjectsの中には、sample-001.mgzとsample-002.mgzと2つのファイルがあります。同一人物が2回撮影したファイルです。FreeSurferでは、これをbertというsubject IDで出力結果が入っていますが、一応、自分でもやってみましょう。subject IDをernieとしてみます。
ターミナルから以下のようにタイプしてください。
cd $SUBJECTS_DIR recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -all
これは機種にもよりますが、最低8時間程度かかります。とりあえず、動くかどうかだけ確認したかったら第1段階のところまででやめておくのも手です。そのときは、下記をタイプします。
recon-all -s ernie -i sample-001.mgz -autorecon1
これは30分前後で終わります。