1. 目的
2. コマンド
3. 使用例
3.1. 頭蓋除去をしていない場合
3.2. 頭蓋除去を既にしている場合
4. 結果
5. おまけ
1. 目的
- 大脳基底核のセグメンテーション
2. コマンド
FSLのrun_first_all
を用いる。
run_first_all
のヘルプは、以下。
Usage: run_first_all [options] -i <input_image> -o <output_image> Optional arguments: -m <method> : method must be one of auto, fast, none or a (numerical) threshold value -b : input is already brain extracted -s <name> : run only on one specified structure (e.g. L_Hipp) or a comma separated list (no spaces) -a <img2std.mat> : use affine matrix (do not re-run registration) -3 : use 3-stage affine registration (only currently for hippocampus) -d : do not cleanup image output files (useful for debugging) -v : verbose output -h : display this help message e.g.: run_first_all -i im1 -o output_name
基本的な使い方は、次の通り。
頭蓋除去をしていない3D-T1WIを入力する場合。
run_first_all -i <入力画像(3D-T1WI)> -o <出力画像(の接頭辞)>
頭蓋除去済みの3D-T1WIを入力する場合。
run_first_all -i <入力画像(3D-T1WI)> -o <出力画像(の接頭辞)> -b
3. 使用例
3.1. 頭蓋除去をしていない場合
頭蓋除去をしていない3D-T1WI(T1w.nii.gz)に対して、run_first_all
をかけるには、次のようにコマンドを実行する。
ここでは、出力画像の接頭辞(オプション:-o
)を「output」とした。
run_first_all -i T1w.nii.gz -o output
3.2. 頭蓋除去を既にしている場合
まず、頭蓋除去済みの3D-T1WI(T1_skull_stripped.nii.gz)を用意する。
頭蓋除去のやり方は、以下の記事を参考にするとよい。
頭蓋除去した画像(T1_skull_stripped.nii.gz)に対して、run_first_all
コマンドを実行する。
ここでは、出力画像の接頭辞(オプション:-o
)を「output」とし、頭蓋除去済みの脳を入力していることを示すオプション-b
を付けている。
run_first_all -i T1_skull_stripped.nii.gz -o output -b
4. 結果
処理が完了すると、次のファイルが出力される。
- output_name_all_fast_firstseg.nii.gz:大脳基底核がセグメンテーションされた画像(3D画像)
- output_name_all_fast_origsegs.nii.gz:大脳基底核の各セグメンテーション画像(4D画像)
- output_name_first.vtk:セグメンテーションをする際のメッシュ。FSLViewの3Dモードで見ることができる。
- output_name_first.bvars:パラメータファイル。
大脳基底核のセグメント(output_all_fast_firstseg.nii.gz)と頭蓋除去した画像(T1_skull_stripped.nii.gz)を、重ね合わせてみる。
fsleyes T1_skull_stripped.nii.gz output_all_fast_firstseg.nii.gz -cm random
run_first_all
では、大脳基底核を次の領域にセグメント(区域分け)する。
Label Index | 領域 |
---|---|
10 | Left-Thalamus-Proper |
11 | Left-Caudate |
12 | Left-Putamen |
13 | Left-Pallidum |
16 | Brain-Stem/ 4th Ventricle |
17 | Left-Hippocampus |
18 | Left-Amygdala |
26 | Left-Accumbens-area |
49 | Right-Thalamus-Proper |
50 | Right-Caudate |
51 | Right-Putamen |
52 | Right-Pallidum |
53 | Right-Hippocampus |
54 | Right-Amygdala |
58 | Right-Accumbens-area |
5. おまけ
複数の被験者のセグメンテーション結果をQCしたい場合、first_roi_slicesdir
コマンドを用いると便利である。
基本な使い方は、以下。
first_roi_slicesdir <入力画像(3D-T1WI)のリスト> <セグメンテーション画像のリスト>
例えば、次のような被験者Subj001, Subj002, Subj003がいた場合。
. ├── Subj001_T1_skull_stripped.nii.gz ├── Subj001_output_all_fast_firstseg.nii.gz ├── Subj002_T1_skull_stripped.nii.gz ├── Subj002_output_all_fast_firstseg.nii.gz ├── Subj003_T1_skull_stripped.nii.gz └── Subj003_output_all_fast_firstseg.nii.gz
first_roi_slicesdir
を、次のように実行する。
first_roi_slicesdir *_t1.nii.gz *_all_fast_firstseg.nii.gz
処理が完了すると、「slicesdir」フォルダが生成される。
slicesdir/ ├── Subj001_T1_skull_stripped_t1grot1_to_Subj001_output_all_fast_firstseglbgrot1.png ├── Subj002_T1_skull_stripped_t1grot2_to_Subj002_output_all_fast_firstseglbgrot2.png ├── Subj003_T1_skull_stripped_t1grot3_to_Subj003_output_all_fast_firstseglbgrot3.png ├── grota.png ├── grotb.png ├── grotc.png ├── grotd.png ├── grote.png ├── grotf.png ├── grotg.png ├── groth.png ├── groti.png └── index.html
slicesdirフォルダの「index.html」を開くと、結果が見れる。
いつも大変お世話になっております。
Lin4neuro の freesurfer7.3.2で、samseg を実行したいのですが、エラーが出てしまいます。
run_samseg –input T1.nii.gz –output
この入力で、
error: the following arguments are required: -i –input, -o –output
と出ます。
arguments を指定する必要があるということでしょうか。
これは、おそらく、output にディレクトリを指定していないことによるものと思われます。
現在のディレクトリに出力でよければ、
とされてはいかがでしょうか?
input, outputと明示したかったら、
と –input, –output となります。
-i と –input, -o と –output と一文字のときはハイフン1つ、単語の時はハイフン2つであることに注意してください。
ご丁寧にご返信いただき誠にありがとうございます。
無事実行することができました。
無事にできてよかったです。