(結構この投稿へのアクセスが多いので、具体例を追記しました)
後輩に学会発表の指導をしていて思いついたことですが…。
症例報告をして、それを抄録にする際には起承転結として、以下のポイントをおさえておくといいかと思います。
- 【起】冒頭に症例を一言でいうとこんな感じということを書く。
- 【承】次に、症例の病歴(自分たちが関わるまで)を簡潔にまとめる。
- 【転】自分たちが行ったことの要点を書く。
- 【結】そこから学んだことをTake home messageとしてまとめる。
こうすると、抄録を読む人に伝わりやすいんじゃないかなと思いました。
実際の例は、以下のようになります。起承転結がわかりやすいように、明示しておきます。○や△は適当なので、全く関連はありません。
【起】○○と診断されていたが、臨床症状および検査所見から△△と××の 合併が疑われた症例を経験した。 【承】症例は○歳女性。X-○年から抑うつ状態となり、次第に常に強い 不安・焦燥感を訴え、精神科を受診した。○○と診断され、様々な 抗うつ薬が投与されたがいずれも無効で、抗精神病薬も少量で副 作用を呈した。このような状態が消長したため、当院に紹介と なった。 【転】入院時、強い焦燥感と認知機能低下を認めた。また、※※も認め た。画像検査では、□□を認めた。焦燥感を主体とする臨床症状、 認知機能低下、および画像所見から△△と××の合併が最も考えら れた。薬物療法としては、▽▽が有効であり、修正型電気けいれ ん療法により精神症状と運動機能が更に改善した。 【結】○○や△△を認める症例では、××を鑑別に挙げることの重要性が 示唆された。