Linuxで統計をやるならRを使えばいいじゃないと言われそうですが、
同僚がSPSSを多く使う場合、SPSSを動かせた方がいい時もあります。
ただ、インストールしてみたら日本語が文字化けして苦しみました。
ちょっとした工夫でクリアーできたので、ご紹介します。
ちなみに、SPSS_Statistics_22_lin_.binというファイルを使ってインストールしました。
- ファイルに実行権限を付加
- LANG変数を英語に
- インストーラーの起動
- SPSSの起動
- メニューの日本語化
- SPSSの中のJavaの設定だ!
- 具体的な方法
- SPSSの再起動と日本語の指定
- SPSSのメニューへの登録
ダウンロードしてきたファイルは、実行権限がありませんでしたので、実行権限を付加します。
1 | $ chmod 755 SPSS_Statistics_22_lin.bin |
ここが第1のキモです。SPSSのインストーラーはLANG変数を見て表示言語を変えるようなのですが、日本語の表示が最初はうまくいきません。そのために、英語でいきます。もちろん、インストーラーのGUIでEnglishを選ぶこともできるのですが、それだとライセンス認証のところで文字化けしてしまいます。なので、インストーラーを起動する前に、LANGを英語にしてしまうのがよい結果に結びつきました。LANG=Cと打つだけです。
1 | $ LANG=C |
次に、ルート権限でインストーラーを起動します。
1 | $ sudo . /SPSS_Statistics_22_lin .bin |
これでインストーラーが起動します。インストールの画面は、基本、WindowsやMacと同じですので、割愛します。ひと通り終わると、ライセンス認証にいきます。それもWindowsやMacとたいして変わりませんので、そのままできるかと思います。
次につまずいたのがここでした。インストールはされますが、GUIにアイコンが登録されません。あとで、アイコンは作ることにして、とりあえず、コマンドから貴どうすることにします。Ubuntuでは、デフォルトのパスは/opt/IBM/SPSS/Statistics/22でした。その下のbin/statisticsが実行ファイルです。
1 | $ /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/statistics |
そうすると、SPSSが立ち上がります。ちょっと感動です。
さて、ここで、メニューのEdit -> Options -> Languageといきますと、Language設定ができますので、Japaneseを選んでみました。
すると、お約束のように日本語が豆腐化します。
さて、どうしたものかと思いました。
で、ふと、思いました。
SPSSはJavaを使っている。Javaの日本語化を調べたらいいのではないか?
そこで、Ubuntu, Java, 日本語化で調べるととてもわかりやすいサイトが見つかりました。
早速、設定してみました。結果は……何の変化もありませんでした。
それで、ふと思いました。「SPSSの中にfontsディレクトリがあるのでは?」
早速、findで検索してみました。
1 2 | $ cd /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/ $ find . -name 'fonts' |
すると、すぐに出てきました。
1 | . /bin/JRE/lib/fonts |
これでピンと来ました。先ほどのJavaの設定を、システムに対してでなく、SPSSのディレクトリの中ですればいいわけです。
fontsディレクトリの中にfallbackというディレクトリを作成し、そこにTakaoゴシックのシンボリックリンクを貼ります。
1 2 3 4 | $ cd /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/JRE/lib/fonts/ $ sudo mkdir fallback $ cd fallback $ sudo ln -s /usr/share/fonts/truetype/takao-gothic/Takao * . |
こうすると、私の場合、以下の3つのファイルのシンボリックリンクが貼られました。
1 2 | kiyotaka@Ubuntu: /opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/JRE/lib/fonts/fallback $ ls TakaoExGothic.ttf TakaoGothic.ttf TakaoPGothic.ttf |
もう一度SPSSを起動し、そして、先ほどと同じくOptions -> Languages -> Japaneseとします。
そうすると、きれいに日本語化されました!
あとは、SPSSのアイコンを作成します。
SPSSのアイコンは、こちらのサイトからいただいてきました。下のアイコンを右クリック→名前をつけて保存で、spss-statistics.pngというファイル名で保存します。
このファイルを、以下のコマンドで、/usr/share/pixmapsに保存します。
1 | $ sudo cp spss-statistics.png /usr/share/pixmaps |
次に、ホームディレクトリの下にある.localディレクトリに移動します。
1 | $ cd ~/. local /share/applications |
もしかしたら、「そんなディレクトリない」と怒られるかもしれません。
そうしたら、以下のようにして作成してから移動してください。
1 2 | $ mkdir -p ~/. local /share/applications $ cd ~/. local /share/applications |
そうしたら、そこで適当なエディタでspss-statistics.desktopファイルを作成してください。ここでは、nanoエディタを使用します。
1 | $ nano spss-statistics.desktop |
そこに以下を書き込みます。正直、下記をコピペでもかまいません。
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 | [Desktop Entry] Version=1.0 Type=Application Name=SPSS Statistics 22 Comment= Exec=/opt/IBM/SPSS/Statistics/22/bin/statistics Icon=/usr/share/pixmaps/spss-statistics.png Categories=Education; StartupNotify=true Terminal=false |
下図のようになるはずです。
そうしたら、Ctrl-Xで終了します。
すると、私の使っているXubuntuでは、もっと正確に言うとLin4Neuroでは、下図のように教育の項目の中にSPSSが登場します。
これで、SPSSを快適に使える環境が整いました。