1. 目的
2. 前準備
3. 予備知識
4. NumPyのインポート
5. データ
6. 重み付けの初期化
7. 学習
8. データの入力
9. 重み(Weight)の勾配計算
10. 損失の計算
11. 重みの更新
12. 実行
12.1. 1_numpy.py
1. 目的
PyTorchのチュートリアルWarm-up: numpyを参考にNumpyを使って、損失(loss)や重み(weight)の計算をする。
PyTorchの特徴の一つである、テンソルとNumpyの違いを理解するための前準備。
2. 前準備
PyTorchのインストールはこちらから。
初めて、Google Colaboratoryを使いたい方は、こちらをご覧ください。
3. 予備知識
脳神経細胞は、樹上突起(Dendrites)、細胞体(Soma)、核(Nucleus)、軸索(Axon)、軸索終末(Axon Terminals)で構成されます。
(Credit: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Neuron_-_annotated.svg)
この脳神経細胞を数学的にモデルしたのが、パーセプトロンです。
神経樹上から細胞体に向けてやってくる信号(Xn)は、すべてが重要であるわけではありません。
入力される信号の中には、必要なものとそうでないものが混じっていると考えて、各信号に対して重み付け(Wn)をします。
神経樹上からの信号(Xn)は重みづけ(Wn)され、合算(Sum Σ)されます。
その合算した信号(z)が、その神経細胞を活性化させるかどうかを活性化関数(Activation function σ)でモデルします。
最後に、活性化関数からの出力に対して重み付けをして次のパーセプトロンに信号(a)を渡します。
(Credit: https://pythonmachinelearning.pro/perceptrons-the-first-neural-networks/)
今回は、パーセプトロンを用いて、入力される信号(x)からyを予測するケースを考えます。
4. NumPyのインポート
import numpy as np
5. データ
バッチサイズNを64、入力の次元D_inを1000、隠れ層の次元Hを100、出力の次元D_outを10とします。
# N is batch size; D_in is input dimension;
# H is hidden dimension; D_out is output dimension.
N, D_in, H, D_out = 64, 1000, 100, 10
入力(x)と予測したい(y)を乱数で定義します。
# Create random input and output data
x = np.random.randn(N, D_in)
y = np.random.randn(N, D_out)
6. 重み付けの初期化
乱数を使って重みを初期化します。
# Randomly initialize weights
w1 = np.random.randn(D_in, H)
w2 = np.random.randn(H, D_out)
7. 学習
学習率を1e-6
として、学習回数を500回とします。
learning_rate = 1e-6
for t in range(500):
8. データの入力
入力(x)と重み(w1)を掛け算.dot
することで重み付けをします(h)。
重み付けした値(h)の要素から、np.maximum(h,0)
で、0以上のものは残し、0以下のものは0とします。
最後に、重み(w2)を掛け合わせて重み付けします。この値がパーセプトロンの予測値(y_pred)となります。
# Forward pass: compute predicted y
h = x.dot(w1)
h_relu = np.maximum(h, 0)
y_pred = h_relu.dot(w2)
9. 重み(Weight)の勾配計算
これより先は、パーセプトロンが予測した値(y_pred)と答え(y)を見比べて、正しく答え(y)を予測できるようにパーセプトロンのパラメータを更新していきます。
まず、重み(w1, w2)の勾配(grad_w1, grad_w2)を計算します。
# Backprop to compute gradients of w1 and w2 with respect to loss
grad_y_pred = 2.0 * (y_pred - y)
grad_w2 = h_relu.T.dot(grad_y_pred)
grad_h_relu = grad_y_pred.dot(w2.T)
grad_h = grad_h_relu.copy()
grad_h[h < 0] = 0
grad_w1 = x.T.dot(grad_h)
10. 損失の計算
パーセプトロンが予測した値(y_pred)と答え(y)との間の二乗誤差を計算しこれを損失(loss)とします。
np.squreare
でy_predとyの差を二乗して、sum()
で平均しています。
各学習回数ごとに、学習回数(t)と二乗誤差(loss)を表示します。
# Compute and print loss
loss = np.square(y_pred - y).sum()
print(t, loss)
11. 重みの更新
計算した勾配(grad_w1, grad_w2)をもとに、重み(w1, w2)を更新します。
確率勾配降下法(SGD: stochastic gradient descent)は、重みを更新する上でよく使われる最適化アルゴリズムで、以下の式で表されます。
weight = weight - learning_rate * gradient
SGDは、以下のコードで実行できます。
# Update weights
w1 -= learning_rate * grad_w1
w2 -= learning_rate * grad_w2
12. 実行
以下のコードを1_numpy.py
として保存します。
12.1. 1_numpy.py
import numpy as np
# N is batch size; D_in is input dimension;
# H is hidden dimension; D_out is output dimension.
N, D_in, H, D_out = 64, 1000, 100, 10
# Create random input and output data
x = np.random.randn(N, D_in)
y = np.random.randn(N, D_out)
# Randomly initialize weights
w1 = np.random.randn(D_in, H)
w2 = np.random.randn(H, D_out)
learning_rate = 1e-6
for t in range(500):
# Forward pass: compute predicted y
h = x.dot(w1)
h_relu = np.maximum(h, 0)
y_pred = h_relu.dot(w2)
# Compute and print loss
loss = np.square(y_pred - y).sum()
print(t, loss)
# Backprop to compute gradients of w1 and w2 with respect to loss
grad_y_pred = 2.0 * (y_pred - y)
grad_w2 = h_relu.T.dot(grad_y_pred)
grad_h_relu = grad_y_pred.dot(w2.T)
grad_h = grad_h_relu.copy()
grad_h[h < 0] = 0
grad_w1 = x.T.dot(grad_h)
# Update weights
w1 -= learning_rate * grad_w1
w2 -= learning_rate * grad_w2
保存ができたら実行しましょう。
左の数字が学習回数、右の数値がパーセプトロンの推定値と実際の答えと二乗誤差です。
学習を重ねるごとに、二乗誤差が小さくなることがわかります。
$ python3 1_numpy.py
0 33318410.89325847
1 33449484.266180404
2 42189212.89431849
3 51379306.420906566
4 48992878.8013583
...
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