SPMを使っていると、Covariateという単語がよく出てきます。
Covariateを日本語に訳すと、「共変量」となりますが、SPMでのCovariateはもうちょっと広い気がしていました。
Matthew BrettのIntroduction to SPM statisticsを翻訳したものに対し、他の先生方からご指摘をいただき、改めて検討してみました。
Wikipedia英語版では、covariateについて以下のように説明されています。
In statistics, a covariate is a variable that is possibly predictive of the outcome under study. A covariate may be of direct interest or it may be a confounding or interacting variable.
ここで、covariateは結果を予測する変数であり、直接関心のある変数のこともあれば、そうでないこともあると書かれています。日本語の「共変量」の意味するところは、後者のことだけを指しますので、英語のcovariateの方が広義ということになります。
Wikipediaに戻ります。
The alternative terms explanatory variable , independent variable , or predictor, are used in a regression analysis . In econometrics , the term “control variable” is usually used instead of “covariate”.
上記で述べたように、covariateは説明変数、独立変数、予測因子とも表現されると書かれています。
さらに、以下のようにも述べられています。
In a more specific usage, a covariate is a secondary variable that can affect the relationship between the dependent variable and other independent variables of primary interest.
ここで、「より狭義の意味では、covariateは従属変数と最も関心のある独立変数との関係に影響を与える二次的な変数である」となっています。これがまさに日本語に訳されるところの「共変量」ということになります。
つまり、covariateには、広義のcovariateと狭義のcovariateがあり、狭義のcovariateは日本語で言うところの共変量を指し、広義のcovariateは、回帰分析における説明変数のような変数も入ってくるわけです。
ということで、タイトルになるわけですが、SPMにおいては、共変量⊂Covariateではあるが、共変量=Covariateではないということに注意が必要です。
説明をするときには気をつける必要がありますね。