VirtualBox のDebian 12 ゲストに Guest Additions をインストールする方法

VirtualBox上でDebianをインストールしていろいろ試しているのですが、Guest Additionsをインストールしようとしてちょっと困ったので、備忘録として残しておきます。

short answer

cd /media/cdrom
sudo sh VBoxLinuxAdditions.run

でいけます

long answer

最初、普通Ubuntuでやるように

cd /media/cdrom
sudo ./VBoxLinuxAdditions.run

としたところ、

sudo: unable to execute ./VBoxLinuxAdditions.run: Permission denied

となりました。

なんでだろうと思ったところ、https://forums.virtualbox.org/viewtopic.php?t=58799にヒントが書かれていました。

cdromをマウントする際、/etc/fstabに

/dev/sr0    /media/cdrom0    udf,iso9660    user,noauto    0    0

と書かれています。この noauto を exec にすることで、実行可能になるということでした。

もちろん、これを exec に変えるのも方法ですが、この場合、任意のCDが実行されてしまうリスクもはらんでいます。

それ以外の方法がないかと考えたところ、直接実行するのではなく、シェルから実行するという方法があるかなと思いました。

そうしたら、上記のリンクの最後にその旨が書かれていました。

なので、実際に試してみました。

cd /media/cdrom
sudo sh VBoxLinuxAdditions.run

そうしたところ、あっさりと動きました。

スクリプトを直接実行ではなく、シェルから実行というのは常に頭のどこかに置いておくといいんだなということを学びました。

【Python】DICOMヘッダーをCSVに保存

1. 目的

PythonのPydicomライブラリを用いて、DICOMヘッダーをCSVにまとめて保存

2. 準備

2.1. ライブラリの準備

Pydicomは、DICOMのヘッダーや画像を操作するのに用いるライブラリである。

Pydicomのインストールは、以下のコマンドを実行。

pip3 install pydicom

CSV形式の表データを扱うには、Pandasライブラリを用いる。

Pandasライブラリのインストールは、以下のコマンドを実行。

pip3 install pandas

2.2. データの準備

次のような、フォルダ構造でデータを準備する。この場合では、各被験者フォルダの中にDICOMが保存されている。

DICOM_folder
├── Subject001
│   ├── XXX.dcm
│   ├── ...
│   └── XXX.dcm
├── Subject002
│   ├── XXX.dcm
│   ├── ...
│   └── XXX.dcm
├── ...
└── SubjectXXX

2.3. スクリプトの準備

次のコードを、extract_dcm_header.pyとして保存する。このとき、スクリプトはDICOM_folderフォルダと同じ階層に保存する。

import os
import pydicom
import pandas as pd

input='DICOM_folder'  # Input folder
output='dicom_headers.csv'  # Output CSV

dcm_dfs = []
failed_files = []
processed_files = []
for root, _, files in os.walk(input):  # Find DICOM file for each subject
    if len(files) != 0:  # If DICOM files exist
        try:
            f = os.path.join(root, files[0])
            dcm = pydicom.dcmread(f)  # Read DICOM
            _df = pd.DataFrame({dcm[k].keyword: [dcm[k].value] for k in dcm.keys() if dcm[k].keyword != "PixelData"})  # Read Headers
            dcm_dfs.append(_df)  # Gather headers of all subjects in a list
            processed_files.append(f)
        except:
            failed_files.append(f)

dcm_dfs = pd.concat(dcm_dfs, ignore_index=True)  # Concat headers of all subjects in a table
dcm_dfs.to_csv(output, index=False)  # Save as CSV

3. プログラムの実行

2.3. スクリプトの準備で用意した、extract_dcm_header.pyを実行するには、次のコマンドを実行する。

python3 ./extract_dcm_header.py

4. 結果の確認

収集したDICOMヘッダーは、dicom_headers.csvとして保存される。

5. コードの解説

まず、必要なライブラリを読み込む。

import os
import pydicom
import pandas as pd

ここでは、入力となるDICOMフォルダーと出力となるDICOMヘッダーのまとまったCSVの名前を定義している。

今回の場合だとinput='DICOM_folder'output='dicom_headers.csv'

input='DICOM_folder'  # Input folder
output='dicom_headers.csv'  # Output CSV

データを格納するための、箱(リスト)を定義。

dcm_dfs = []
failed_files = []
processed_files = []

被験者ごとのDICOMファイルを検索。

for root, _, files in os.walk(input):  # Find DICOM file for each subject

DICOMファイルがある場合のみ、処理を実行。

    if len(files) != 0:  # If DICOM files exist

Pydicomを用いて、DICOMデータを読み込む。

        try:
            f = os.path.join(root, files[0])
            dcm = pydicom.dcmread(f)  # Read DICOM

DICOMからヘッダー(Header)情報を、Pandasで読み込む。

PixelDataタグを含めると、出力(CSV)が崩れておかしくなるので、収集に含めないようにしている。

            _df = pd.DataFrame({dcm[k].keyword: [dcm[k].value] for k in dcm.keys() if dcm[k].keyword != "PixelData"})  # Read Headers

収集した結果を、被験者ごとに処理をして、一つの箱(リスト)にまとめる。

            dcm_dfs.append(_df)  # Gather headers of all subjects in a list
            processed_files.append(f)
        except:
            failed_files.append(f)

すべての被験者のヘッダー情報を、一つの表形式のデータ(DataFrame型)に変換する。


dcm_dfs = pd.concat(dcm_dfs, ignore_index=True)  # Concat headers of all subjects in a table

結果を、CSVとして保存する。

dcm_dfs.to_csv(output, index=False)  # Save as CSV

2024年10月現在、FreeSurferはUbuntu 24.04 では動作しません

ときどきこの質問を受けるので言及しておきます。

2024年4月にUbuntu 24.04が公開されました。
しかし、Ubuntu 24.04上では現行のFreeSurfer 7.4.1は動きません。
このため、FreeSurferを実行したい場合は、しばらくUbuntu 22.04からアップグレードしないようにしましょう。

Pythonでオブジェクトの型に準備されている通常メソッドの一覧を出力する関数

Pythonを勉強していると、「この型のメソッドは何だろう?」と思う時があります。
この時、オブジェクトを obj とすると

dir(obj)

とすることで、一覧を得ることができます。

たとえば、リスト型のメソッドを知りたいとします。dir() を使うと以下のようになります。

x = [1, 2]
dir(x)

[code lang=text]
['__add__', '__class__', '__class_getitem__',
 '__contains__', '__delattr__', '__delitem__',
 '__dir__', '__doc__', '__eq__', '__format__',
 '__ge__', '__getattribute__', '__getitem__',
 '__gt__', '__hash__', '__iadd__', '__imul__',
 '__init__', '__init_subclass__', '__iter__',
 '__le__', '__len__', '__lt__', '__mul__',
 '__ne__', '__new__', '__reduce__', '__reduce_ex__',
 '__repr__', '__reversed__', '__rmul__', '__setattr__',
 '__setitem__', '__sizeof__', '__str__', '__subclasshook__',
 'append', 'clear', 'copy', 'count', 'extend',
 'index', 'insert', 'pop', 'remove', 'reverse', 'sort']
[/code]

ここで、”–” からはじまるメソッドは特殊メソッドと言われ、その型の振る舞いを細かく調整するものとのことです。今回はここには踏み込みません。

今、私は、「通常メソッドだけリストアップしたい」と思いました。どうしたらできるでしょうか?

続きを読む

bash でディレクトリ変数の展開を有効にする direxpand を設定する方法

Ubuntu 22.04 から、ターミナルでの変数を使ったディレクトリ移動が厄介になりました。

例を挙げます。

FSLのインストールパス は変数 $FSLDIR に入っています。私はこれまでは、$FSLDIR/standard にアクセスしたい場合

cd $FSLDIR までタイプしたら、その後、タブキーをタイプすると、シェルが自動で cd /usr/local/fsl と変数を展開してくれて、その後のディレクトリをタイプしていました。

しかし、Ubuntu 22.04 から、同じことをすると

cd \$FSLDIR/

と変数がエスケープされてしまい展開されなくなってしまいました。

これは不便です。

調べたところ、shopt というコマンドがあることを知りました。

続きを読む

LinuxやmacOSでPythonの仮想環境を構築する方法

過去に、Anacondaに頼らない、pipとvenvを用いたPython環境の構築 という記事を書きました。今回、改めて、Pythonの仮想環境について理解が深まったので書きたいと思います。

仮想環境を構築したい背景

  • Python は、ひとつのシステムに様々なバージョンが存在しえます。macOSでの場合を、macOS の Python事情を理解するに解説しました。LinuxやWindowsも同じで複数のバージョンが存在しえます。
  • また、LinuxやmacOSにおいて、Pythonは、システムの重要なところを担っていたりします。Ubuntuであれば、 dpkg -l | grep python3 とすると、どれだけ多くの Python3に関連したパッケージがシステムにインストールされているかを確認することができます。

  • このような状況において、システムのPythonに追加でパッケージを入れていって、もし不具合が起きた場合、システムそのものが不安定になる可能性があります。

  • Pythonの仮想環境を使うと、システムの中に、独立したPythonの環境を構築することができます。「独立している」というのは、システムに一切影響を与えないということを意味します。不要になったらばっさり削除しても一切問題ありません。

  • そこで、以下で、仮想環境の構築の仕方を解説します

続きを読む

nvidia関連のドライバーが依存の問題でアップデートできない時の解決法

2023年11月9日に普通にアップデートしたら以下の問題が発生しました。
環境はUbuntu 22.04です。

$ sudo apt update
---(中略)---
これらを直すためには 'apt --fix-broken install' を実行する必要があるかもしれません。
以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
 nvidia-dkms-535 : 依存: nvidia-kernel-common-535 (= 535.129.03-0ubuntu1) しかし、535.129.03-0ubuntu0.22.04.1 はインストールされています
 nvidia-driver-535 : 依存: nvidia-compute-utils-535 (= 535.129.03-0ubuntu1) しかし、535.129.03-0ubuntu0.22.04.1 はインストールされています
                     推奨: libnvidia-gl-535:i386 (= 535.129.03-0ubuntu1)
E: 未解決の依存関係です。'apt --fix-broken install' を実行してみてください (または解法を明示してください)。

nvidia-dkms-535 が nvidia-kernel-common-535 に依存しているとあります。
よくみると、
nvidia-kernel-common-535は
535.129.03-0ubuntu1 が必要なようですが、 535.129.03-0ubuntu0.22.04.1がインストールされていると言われています。

バージョンの小さな違いがエラーを引き起こしているようです。

続きを読む

過去のPhilipsのfMRIデータをdcm2niixで変換しようとした時に4次元データにならない問題の解決法

ある施設のrs-fMRIのDICOMデータをNiftiに変換しようとした時に、以下のようになってしまい、4次元データができませんでした。

sub1_+rsfMRI_201.nii
sub1_+rsfMRI_201_t10000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t100000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t102500.nii
sub1_+rsfMRI_201_t105000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t107500.nii
sub1_+rsfMRI_201_t110000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t112500.nii
sub1_+rsfMRI_201_t115000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t117500.nii
sub1_+rsfMRI_201_t120000.nii
sub1_+rsfMRI_201_t122500.nii
sub1_+rsfMRI_201_t12500.nii
...

ポイントは、ファイル名の後ろに tの後に数字がつくことです。

この原因を探っていたところ、dcm2niixのGitHubページを見つけました。
https://github.com/rordenlab/dcm2niix/issues/428

ここで開発者のChris Rorden教授が以下のように述べています。

your files have a bogus value for cardiac trigger time (0018,1060). This is a limitation of your images, not dcm2niix. You should work with your Philips Research Collaboration manager to fix your scanner. For archival-quality data you could purge the invalid tags from your images, e.g. gdcmanon –dumb –remove 0018,1060 -i … -o …

Cardiac Trigger Timeというタグに値が入ってしまっていることで、dcm2niixはこれを別々のものと認識してひとつにしないようです。過去に撮像したデータの場合、0018,1060を削除するのは一手ではないかとおっしゃっています。実際に確認したところ、そのタグが入っていました。

そこで、このタグを削除する以下のようなPythonスクリプトを書いてみました。pydicomが入っていれば動くはずです。
こちらから手に入れられます。

#!/usr/bin/env python3
# -*- coding: utf-8 -*-

# Script to remove trigger time from Philips fMRI
# source: https://github.com/rordenlab/dcm2niix/issues/428
# 14 Oct 2023 K. Nemoto

import sys, os, time, argparse
import pydicom

__version__ = '20231004'

__desc__ = '''
Remove Trigger Time (0018,1060) from Philips rsfMRI
'''
__epilog__ = '''
examples:
  dcm_rm_trigger_time.py DICOM_DIR1 DICOM_DIR2 ...
'''

def remove_triggertime(src_dir):
    # modify files
    for root, dirs, files in os.walk(src_dir):
        for file in files:
            try:
                src_file = os.path.join(root, file)
                ds = pydicom.dcmread(src_file)
                pid = src_dir.replace('/','')
                del ds[0x0018, 0x1060]
                ds.save_as(src_file)
            except:
                pass

if __name__ == '__main__':
    start_time = time.time()
    parser = argparse.ArgumentParser(description=__desc__, epilog=__epilog__,
        formatter_class=argparse.RawDescriptionHelpFormatter)
    parser.add_argument('dirs', metavar='DICOM_DIR', help='DICOM directories.', nargs='+')

    err = 0
    try:
        args = parser.parse_args()
        for dicom_dir in args.dirs:  # Loop through all the provided directories
            print(f'remove dicom tag (0018,1060) from {dicom_dir}')
            remove_triggertime(dicom_dir)
        print("execution time: %.2f second." % (time.time() - start_time))
    except Exception as e:
        print("%s: error: %s" % (__file__, str(e)))
        err = 1

    sys.exit(err)

これは、

dcm_rm_triggertime.py DICOMフォルダ

とすることで、そのフォルダ内のtrigger timeタグを削除します。

この処理をした後のDICOMを使って dcm2niix を行ったところ、問題なく変換されました。

困っている人がいると思うので共有しておきます。

Windows 10/11 で、WSL2 を使って FSL をインストールする方法

Windows 10/11 では、Windows Subsystem for Linux (WSL) を使ってUbuntuなどのLinuxをインストールできます。WSL2 を使うと、GPUも使えるとのことです。

しかし、WSL2は基本、コマンドラインです。LinuxのGUIを起動するためには、工夫が必要です。現在、いくつかのアプリが公開されていますが、FSLの公式ページでは、VcXsrv を勧めていますのでそれを使うのが無難でしょう。

Ubuntu 22.04 も発表されて1年が過ぎて安定してきましたので、ここでは、

  • WSL2
  • Ubuntu 22.04
  • VcXsrv

をいれたうえで、FSL をインストールしてみます。

なお、このページは、FSLの公式サイトを参考に作成しました。

続きを読む

FreeSurferとFSL 6.0.6以降を同時にインストールしている時に起きる事象への対処法

FreeSurfer と FSL 6.0.6以降を使っていると、ある事象が起きます。

  • Python3がFSLが提供するPython3になります。
  • dcm2niixがFSLが提供するdcm2niixになります。

これの影響を受けているかの確認法および対処法を最初に解説した後、その理由を述べます。

続きを読む

CONNで前処理したfMRI画像の時系列データを取り出す方法

ある方から、「CONNで前処理したfMRI画像から、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の時系列データを取り出すにはどうしたらよいですか?」というご質問をいただきました。

鍵となるプログラムは以下の2つです。

  • conn_matc2nii
  • spm_summarise

以下に、方法を記載します。

続きを読む

Ubuntu 20.04/22.04 上の FSL6.0.6 以降で CUDA 11以降のGPUを使う方法

FSL 6.0.6 以降で、CUDA 11以降も対応するようになりました。

いろいろ試行錯誤した結果、以下のようなシンプルな方法でFSLでCUDAを上手に使うことができるようになったので紹介します。

なお、Amulet社から販売している Powerstep Tower for Lin4Neuro は、既にこれらの設定が済んでいますので、電源入れたらすぐにEDDY, BEDPOSTX, XTRACTなどがGPUを使って解析できます。
なお、FSL 6.0.6 以降は既にインストールされているとします。

続きを読む